日焼けでシミが出来る理由とは
紫外線は、太陽から放射される電磁波の一種です。これらの光線は肉眼では見えませんが、長時間浴びると皮膚に害を及ぼします。紫外線にはUVA、UVB、UVCの3種類があり、UVA光線は、紫外線の中で最も長く、最も有害なタイプです。皮膚の奥深くまで浸透し、DNAに損傷を与える可能性があります。UVBはUVAより短く、皮膚に深く浸透しません。しかし、皮膚にダメージを与え、日焼けの主な原因となります。
紫外線を浴びることで生じる問題のひとつが、日焼けによるシミです。シミは、紫外線を過剰に浴びた結果、皮膚にできる黒い斑点(メラノサイト)です。太陽黒子や老人斑とも呼ばれます。シミの大きさは、小さなソバカスから大きな斑点までさまざまあります。日焼けによるシミは、日光にさらされた体のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、顔、手、腕、背中などに多く見られます。
日焼け止めを使って正しい紫外線対策
紫外線の有害な影響から肌を守るには、日焼け止めが一番です。しかし、日焼け止めの効果をしっかり引き出すためには、使用量の目安を守り、均一に塗ることが非常に必要です。
まず、SPF(sun protection factor)15以上の日焼け止めを選びます。SPFの数値は、日焼け止めが紫外線(UV)から肌を守る時間を示しています。例えば、SPF15の日焼け止めを使用した場合、日焼け止めを全く使用しない場合に比べ、日焼けするまでの時間が15倍長くなります。
顔に塗る場合は、耳、首、エリ元、袖周り、うなじなど、露出している皮膚をすべてカバーする量を使いましょう。また、唇にも日焼け止めを塗ることを忘れないでください。日焼け止め効果があるリップクリームや口紅を使用するとよいでしょう。日焼け止めを体に塗る場合は、足から上に向かって塗るようにしましょう。手や足の甲、ひじやひざの裏、身体の側面なども塗り忘れのないようにしましょう。腕や手の甲、肩など、日差しが当たりやすい部分は特に念入りに。
日焼け止めはどのタイミングで塗るのがいいのか?
顔は
日焼け止め→下地→ファンデーション
の順番がベストです。
日焼け止めは、紫外線から肌を守るもののため、肌に直接触れるスキンケアの最後に塗りましょう。また、下地の後に日焼け止めを塗ると、ファンデーションの密着度が悪くなるので、日焼け止めは下地の前に肌に塗るのが基本です。
日焼け止めを塗るときは、肌が露出している部分をすべてカバーできる量を使いましょう。目安としては、1オンス(ショットグラス1杯分)程度の日焼け止めを全身に塗りましょう。また、2〜3時間おきに塗り直すようにしましょう。
日焼け止めは均一に塗ることが大切です。多くの人が、日焼け止めを塗る量が少なすぎたり、均一に塗れなかったりという失敗をしています。日焼け止めがすべての肌を均一にカバーすることができないと、日焼けの原因になることがあります。
日焼け止めは夏に使うイメージがありますが、紫外線は1年中降り注いでいるので、曇りの日でも、肌を守るためには季節に関係なく対策することが必要です。また、日焼け止めは正しく塗らないと効果が十分に発揮されません。
日焼け止めを正しく使って紫外線を予防し、肌トラブルのない美肌を目指しましょう。
日焼けをしたら、すぐにスキンケア
日焼けをしたら、まず熱を持った肌を冷やすことが大事です。冷たい湿った布を肌に当てたり、冷たいお風呂に入ったりするのがおすすめです。
- 流水で冷やす
- 濡れタオルで冷やす
- 氷や保冷材で冷やす
- ミネラルウォーターをスプレーする
も効果があります。
次に、皮がむけるのを防ぎ、赤みやほてりを鎮めるために、肌を保湿する必要があります。アロエベラやその他の鎮静成分を含むローションやクリームを塗ってください。化粧水をたっぷり含ませたローションマスクもお勧めです。
痛みや炎症を和らげるために、イブプロフェンなどの市販の鎮痛剤を服用するとよいでしょう。脱水症状を防ぐために、水分を十分に摂取してください。
自宅で簡単にできるシミのセルフケア
シミのセルフケアのポイントは、肌の新陳代謝(ターンオーバー)を活性化させることです。
スキンケアで肌のターンオーバーを促進するためには、レチノール配合の化粧品を使ってスキンケアを行う必要があります。レチノールは肌のターンオーバーを促進し、シミのほか、シワやほうれい線のケアにも使われます。
またシミの原因となるメラニン色素の生成を抑制することも大切です。
基本的なケアは、ハイドロキノン、ビタミンC、プラセンタエキス、ビタミンC誘導体、アルブチン、トラネキサム酸などの美白成分が配合された美白化粧品を使用しましょう。
特にハイドロキノンとビタミンCは、メラニン色素を還元する作用が期待できます。還元とは、濃いメラニン色素の色を薄くする作用のことです。ハイドロキノンは肌の漂白剤と呼ばれる成分で、美容皮膚科のクリニックではシミの治療に使われています。
シミケアを最大限に行うためには、肌のターンオーバーを促してシミを排出させ、メラニン色素を還元する効果のあるハイドロキノンやビタミンC誘導体で直接アプローチすることが必要です。
その他、厚生労働省で美白作用が認められている成分は、17種ほどあります。
アスコルビン酸グルコシド・リン酸アスコルビルマグネシウム塩・アスコルビルリン酸ナトリウム塩・VCエチル・ニコチン酸アミド・プラセンタエキス・カモミラET・リノール酸S・コウジ酸・エナジーシグナルAMP・アルブチン・ルシノール・トラネキサム酸(t-AMCHA)・TXC・4MSK・マグノリグナン・エラグ酸
どれか1つだけでなく複数配合されたものがより効果的です。
美白成分にはさまざまな種類があり、どの成分が配合された化粧品が良いのか判断に迷うこともあります。しかし、それぞれの成分の特徴を理解することで、自分に合った美白化粧品を選びましょう。
まとめ
日焼けでできるシミのメカニズムを知ることで、メラニンの生成を抑え、できてしまったメラニンの排出を促すためのセルフケアを行うことができます。自宅でのセルフケアの良さは、早いタイミングで適切なケアができることです。
ビタミンCの有用性や効率的な摂取方法で、シミを消すだけでなく、新たにできるシミを防ぐこともできます。他にも美白成分や栄養素を取り入れることで、自分の肌質や生活パターンに合った美白ケアを行いましょう。